第18話:婦人アパレルメーカーでの学び(2)

 2つ目は、新幹線の乗り継ぎ方法を学びました。
 毎月の出張は、月曜日に出て土曜日に帰ってくる。というロードものでした。
 大阪から出発して東京に着くまでに、得意先が、名古屋、岡崎、浜松、静岡
 に1店舗づつありまして、初日はこれらの店ですべて商談して東京で泊まる
 まで日程を進めます。
 で、どうするのかと言いますと、まずは新大阪から東京までの「乗車券」を
 買うのです。
 実は、この乗車券自体は途中下車が可能なのです。
 で、その次に新大阪から名古屋までの「特急券」を買って乗車します。
 2枚セットです。
 名古屋での商談が終われば、名古屋から岡崎までの特急券を買います。
 でも、乗車券自体は機械に吸い取られておらず、最初に買ったものを利用
 できる。という訳です。
 こうやって途中下車を繰り返し繰り返し、最終東京まで辿り着くのですが、
 なぜこうするのか?というと、この買い方の方が交通費が安くつくから。
 なんだそうです。(当時の情報です。現在は確かめておりません)
 色んなテクニックを考えつく人がいるもんだなあ。と感心したのを覚えて
 います。

 最後は、アパレル業界というものをちょっとだけですが、思い知りました。
 アパレル業界は非常に参入障壁が低い業界です。
 私でも今すぐに「洋服メーカー」をつくる事は可能です。
 確かにクオリティの低いなんちゃってメーカーではありますが、可能です。
 さらに、実際に服を買う人はどんなメーカーの商品なのかとか、そんな事
 ほとんど知らないのです。見えないので気にしない。と言った方が分かり
 やすいでしょうか。
 で、そんな他社との差別化が効きにくいアパレルメーカーはどうやって他社
 と差別化するか。というと、それは「長時間労働」です。
 彼らはそんなに高くない給料で非常にたくさんの時間働きます。
 (そういう傾向が強い業界という意味です。全てではありません)
 私も退職する最終月は、月の休みが3日しかありませんでした。
 まず、土曜日は普通に働きますし、その月にはセールがあったので、日曜が
 それでつぶれ、振替休日なんてもちろんなかったので、休みが少ない少ない。
 そんな環境でみんな働いていました。
 それでも、働いている人々は、何かしらやりたい事などがあって働いている
 のです。
 単純にすごいなあと思っていました。

(次号につづく。。。)