●第17話:婦人アパレルメーカーでの学び(1)

 たった3ヶ月の就業期間ではありましたが、ここでもたくさんの事を学びました。
 やはり環境の違うところに身を置くというのは、何かしらプラスになる事があります。

 1つ目に、委託販売という販売形式を学びました。
 これは、商品を店舗に貸し出す販売手法の事です。
 今まで私が経験してきた商品の販売方法は、得意先から注文を受け、納品し、
 その分の料金を頂戴するというもの。ただそれだけでした。
 ところがこの委託販売というのは、毎月、月初にそれぞれお得意先の店舗に
 マッチした商品を我々メーカーがいくつかピックアップして送りつけ、
 店舗はその月の末になって売れ残った分をメーカーに送り返してきて、その
 売れた差分だけ料金を請求をする。という手法でした。

 店舗としても売れた分だけお金を後で払ったらいいのでリスクが少いのです。
 もちろん店舗も限られたスペースがあるため、店に合わない商品が送られて
 きた時には、即時メーカーに送り返していました。
 そういう時は、「ちゃんと店の意向を理解して!」とお店の人に怒られたり
 もしました。

 委託販売形式での我々メーカーのメリットは、比較的新規顧客が獲得しやす
 い。という事でした。(あくまで比較的ですが)
 先ほど述べたように、店舗側も商品を増やすリスクが少ないためです。
 新規顧客を獲得しろ。と特に会社から言われてはいませんでしたが、2回
 飛び込んだら2店舗とも新規顧客になってもらえました。
 人生初めての飛び込みで、とても緊張しましたがうまくいけました。
 実は、同業他社で仲良くなった先輩から、「あの千葉の店、行ってみたら?」
 とかアドバイスをもらっていた事もうまくいった大きな理由でした。
 そこで気づいたのは、飛び込み営業という非常に獲得の確率が低い手法は、
 予めそのハードルを下げるような仕組みがなければ、効率が悪いな、こりゃ。
 という事でした。

(次号につづく。。。)