第12話:大阪ベイブルース編

大阪支店では28歳から31歳まで約4年間働きます。

29歳の頃でしょうか。
長瀬という同い年の営業マンが同じ支店に入社してきました。
会社の業績があまりよくなかった為、採用が積極的に行われず、途中から
若手が支店にまわってこなくなり、ずーっと私が一番年下だったので、
彼のジョインは同い年でもすごく嬉しく、よく一緒にいましたし、仕事が終
わってもしょっちゅう一緒にビリヤードとかカラオケに遊びに行ってました。
ある日彼は私に言います。
「この会社おかしいで。やばいで」と
そこで始めて気づくというか、考えはじめるのです。
「これは、このまま行ったらこの会社は倒産してしまうのではないか。」と
それまでの私はまさに「ゆでがえる」状態にありました。
精神論的に、途中で会社を辞める事が根性がないようなイメージもありまし
たし、そんな事を言いながらもどうせ持ち堪えるんでしょう?的な根拠のな
い安心感もなぜかありました。
彼が来なければ、それに気づきませんでした。
30歳前にしてようやく私も転職を意識し始めました。
私より後に入社した彼は、30歳の春にはもう退職していました。

結局、31歳の12月で退職しますが、決め手となったのは社内で指名解雇が
はじまった事でした。
希望退職ではなく指名解雇です。
これは、さすがにいよいよだなと転職の覚悟を決めた事を覚えています。
それでも社内には、「倒産しない神話」を信じ、良かれと思い私を社内に
引き留めようとしてくれる人もいましたが、会社に愛着がある人ほどその
傾向が強い事に非常に悲しく感じました。
その後会社は、私が辞めた翌年の年末に民事再生となるのでした。

(次号につづく。。。)