第6話:営業時代に学んだ事

 今回は、少し趣向を変えて私が20代の時に学んだ事を紹介させてください。

 人に教えてもらったあれこれが、私の仕事の考え方のベースになっている事

 が多いです。

 

 1.人を見て法を説け

 長崎市の酒屋さんから「特選(昔の特級酒)の在庫の日付が製造日

 から3か月経ってしまって古くなったので返品を受けてほしい」と言われま

 した。当時私は25歳くらいだったでしょうか。

 当時の上司に相談したら、1本につきティッシュBOX1個つけるからそれで

 売ってもらえ。と言われ、そのままその事を酒屋さんに伝えたら、

 それから私は酒屋さんから出入り禁止をくらいました。

 私としては「え?なんで??」っていう感じで訳が分かりませんでした。

 酒屋さんとしては、日ごろ一生懸命、その銘柄の酒を売っているのだから、

 たまのお願いくらい素直に聞いてくれよ。という気持ちだったのだと思いま

 す。

 当時の取引先卸の支配人(卸のえらいさん)からは、

 「岩田君、人を見て法を説け。だよ」と言われました。

 ゴールをどこに設定するかが大事で、手段っていうのはそんなに問わなくて

 よい。という事を学びました。

 ゴールが「返品を受け取らない」なのであれば、私の言動で正しかったので

 しょう。

 ここでのゴールは「その酒屋さんには年間1本でも多く販売してもらう」

 なのであれば、ここは素直に返品を受けるべきところでした。

 

 2.徳をつむ。一生懸命仕事をする

 29歳くらいの時、鶴橋界隈の立ち飲み屋を牛耳って成功していた酒屋さんの

 社長にどうやったら儲かる事で出来るのかをストレートに聞いてみた事が

 ありました。

 当時90歳くらいのおじいさんは、謙遜して「そんなに儲かってなんかいま

 へん」とかっておっしゃるのかと思って聞いたのですが、意外にもド直球

 な質問にド直球な回答が返ってきました。

 

 「それは、徳を積むことですなあ」

 

 そうゆっくりとおっしゃいました。

 90歳くらいのじいさんが、ましてや成功している人が言うてる話なので、

 おそらく真理なのだろうなあと。。。

 

 又、先日当社のサプライヤーさんである卸さんの80歳くらいの専務と

 お話する機会があり、「私は、この卸会社に50年以上勤めていて、つぶれた得意

 先も成功した得意先も一杯みてきましたわなあ。」とおっしゃっていたので

 「成功する得意先はどんな得意先ですか」って、聞いてみたところ、

 「それは、一生懸命仕事をする事ですなあ」

 

 そうゆっくりとおっしゃいました。

 これもまた80歳くらいのじいさんが言うてる話なので、

 おそらくこれも真理なのだろうなあと。。。

 

 

(次号につづく。。。)