第15話:転職活動

会社を辞めたのが31歳。
当時は「転職するなら20代のうちに」とかって一般的に言われていました。
全然そんな事ないですのにねえ。
今もそういう風潮なのでしょうか。

さて、次の転職先を探すにあたって、やはり実家のマネキン屋の事が頭にありました。
親父に、「いつか末広マネキンを継ぎたい」と告げると、確か
「二世代は食べていけないが、いつかバトンタッチは出来ると思う」みたいな返事をもらった記憶があります。

いずれ親父が引退する時の為に、マネキン屋に役にたつ転職先にしよう。と思い、転職活動を行いました。
しかし、これがよくなかったのです。
おそらく30社くらい受けたのではなかったでしょうか。
結局、志望動機が薄いのです。
景気もよくない時代に突入していたので、マネキン会社の求人はありませんでした。
主にアパレル業界やディスプレイ業界を中心に受けたのですが、
なぜこの業界?なぜこの会社?と聞かれても、本心は
「いずれ継ぐマネキン屋の役にたつ会社に就職しようと思いました。」と、正直に答える事も出来ず。
そうなると、曖昧というかぼんやりした志望動機を答える事となってしまうのです。
そもそもそんなに興味がある業種でもありませんでしたし。。。

単純に私が面接下手だった。というのもあると思います。
今でも記憶しているのは、最終面接で
「岩田さんを採用するとわが社にどんなメリットがありますか?」との質問に、
営業志望の私は、「売り上げ」以外に答えられませんでした。
「それだけですか?」と何回か人事の人に聞かれましたが、どう回答したら
いいか単純に分からなかったのです。
もちろん不採用でした。
さすがに今なら、その質問の意図も含めて分かりますw
実は、転職活動は会社を辞めてから始めた形になりますが、それには事情がありました。
本当は12月に辞めたその年のもう少し早めに退社をする予定にしていたので、
先に少し転職活動をやっておりました。
その中で大手のマネキン会社を受け、内々定をいただいておりました。
その時点で、退社の時期が少し遅れそうなので。と入社時期の延長を申し入れていたので、
てっきりその会社に入社できるつもりでいたのですが、見込みが甘かったのです。
内々定をもらってから実際に私が退職するその9か月の間に、そのマネキン会社の大きな得意先
であった全国スーパーが会社更生法を受け、一気に取引が縮小してしまったとの事件がありました。
世の中の景気が低迷していく時期でもあり、私の周りの業界も大きく潮目が変わりはじめていた時
でもありました。。。