第23話:ITの会社一年目

ITの会社一年目

入社してすぐに感じたのは、みんな良く働くなあ。という事でした。
入社初日に、「早く帰って良いよ」と言われて会社を出た時間が8時過ぎだった事は
覚えていますが、それ以降は大体10時とか終電近くまで働いていたイメージがあります。
周りもみんな遅かったので、最初のうちは早く帰り辛い。という
感覚がありましたが、慣れてくるとだんだんそれがあたりまえの感じになってました。

この時期に一番覚えている出来事といえば、入社3ヶ月が過ぎた頃でしょうか、
3人の営業会議上、田代営業部長から山下、岩田の両名に対して、
「6ヶ月経って案件が1つも取れなかったからクビやからな。」との宣告がありました。

いわゆる檄ですね、ゲキ。今流行りのパワハラじゃないです。多分。
当時、2人の新人は3ヶ月経っても案件が1つもとれない、まさに給料泥棒だったです。
当時の自分の心境としては素直に、いやー、案件取れないのは流石にまずいなあー。
と言う焦りと、本当に6ヶ月間で案件0なら辞めよう。と思ってました。
会社とかいろんな人に迷惑はかけられませんしね。
当時の会社の役員の方々の心境を想像するに、よく耐えていただけたと思います。
なんか、嫌みとか言われた記憶がありません。(性的)嫌がらせも受けた記憶がないです。

最初に案件を獲得したのは山下でした。

4か月目を過ぎた頃だったでしょうか。
九州にあるテレビ局から契約すると電話で連絡があり、まだ契約書は送られてきてなけど、近々送ってくる予定との事。
二人でお祝いをしました。
会社の裏の居酒屋で、1,000円のちょい飲みセットをごちそうした日は、昨日の事のように覚えています。
それから約16年経ってますが、このクライアントからまだ契約書は送れてきていません。
結局、内諾だけで終了してしまった案件という事だったのです。

いわゆる、ぬか喜びっちゅうやつですね。
私から言わせれば、新手の無銭飲食ですが。

入社5ヶ月目、ついて私の元にも待望の契約書が送られてきました。